「メディア」とは、語源的に広く「媒体」を意味します。あらゆる芸術・文化は、映画ならスクリーン、漫画なら紙(を束ねた本)、演劇なら舞台といったように、なんらかの媒体を介しています。また昨今では娯楽産業を中心に、その多くがスマートフォンに代表される携帯端末でも享受できるようになってきています。
そういった技術革新を背景に、各芸術・文化にはメディア横断的な状況が生まれています。スマートフォンにアプリをダウンロードして街の中のスポットを回る、インスタレーション型の演劇作品。ゲームアプリを原作にした2.5次元舞台/ミュージカル。アニメ作品の舞台を訪れる「聖地巡礼」ツーリズム。こうした昨今の文化・芸術のメディアミックス的展開について考えるとき、一つの分野から接近するだけでは不十分に思われます。
そこで本授業では、演劇、映画、アニメーションなどの研究者、実務者あるいはジャーナリストの方々を招き、多角的な視点から講義をしてもらうことで、現在の芸術・文化のメディアミックス的状況について学問的(社会的・歴史的)に考察することを目指します。
(※また本授業は、通年で履修することが望ましい。)