みなさんの手元に『卒業文集』や中学校・高校の生徒会誌があれば、そのなかに「運動会」「修学旅行・遠足」「クラブ活動・部活動」の記事を探してみてほしい。学校教育の教科に対して、ほんのわずかながら、驚くほど「思い出」として存在感を放っていることに気づくだろう。これら、私たちの学校体験に輝く活動はみな「特別活動」である。昨今ではエジプトはじめ海外から注目される一方で、コロナ禍を機とした教育活動の見直しや教員の働き方改革のなかで真っ先に削られる分野でもある。
なぜ「特別活動」は存在するのか。本授業では、「学習指導要領」に記されている目標・内容など基本的な事柄を学ぶとともに、代表的な3分野「学級活動・ホームルーム活動」、「児童会活動・生徒会活動」、「学校行事」に焦点を当て、それぞれの存在意義、歴史や現在における課題について理解を深めることを目指す。そして、すべての教師が関わる特別活動に対して、その担い手としての自覚と意識を高めていくことを目指す。