近現代日本の教育史の事例研究にとって、各地の教育情報を集約していた「教育会」の存在に着目することは 極めて重要である。2004年に発足した「教育情報回路としての教育会の総合的研究会」は、2015年の『日本教育史研究会』34号「課題と展望」において、以下の観点を挙げている。
 教員養成・教員研修・教育研究・教員統制・戦時期「翼賛団体」・教育会の終焉・
 教育会機関誌の書誌分析・植民地における教育会・教育情報回路としての教育会
本授業では、特に「教育会の終焉」「教育情報回路としての教育会」に焦点を当て、近年の教育会史研究の最前線を辿る。そこから、現代の教員社会を捉え直す研究視角や史料の取り扱い方を学び取ろうとするものである。